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造血細胞の増殖・分化・生存機構

我々は、造血細胞の増殖・分化・生存機構を以下の5つの観点から分子レベルで解明し、造血不全や造血器悪性腫瘍の治療に応用することをめざしている。

(1)細胞内シグナル伝達

トロンボポエチンやエリスロポエチンなどのサイトカインによる造血細胞の増殖・ 分化やBCR/ABLなどの癌遺伝子による腫瘍性増殖におけるSTATs、Ras、PI3-Kなどのシグナル伝達分子の機能の解析(参考文献109, 133, 151)。

(2)細胞周期制御

血液細胞の発生(増殖・分化)過程及び造血幹細胞の自己複製,休止期の維持における細胞周期の分子機構についての解析(参考文献121, 130, 142, 158)。

(3)細胞生存/死の制御

造血細胞の生存・死におけるBcl-2などのアポトーシス制御分子、レドックス制御 の役割についての解析(参考文献131, 155)。

(4)転写因子による血液細胞の発生の制御

造血幹細胞の未分化能の維持におけるNotchの機能解析やGATA-1、PU.1などの系統特異的転写因子の機能の解析(参考文献129, 134)。

また、現在、これらの結果を応用して遺伝子導入によるin vitroでの造血幹細胞の増幅や特定の系統の血液細胞への分化誘導、ES細胞からの血液細胞の大量産生を試みている。

(5)ヒト臍帯血造血幹細胞のin vitro増幅法の試み

造血幹細胞移植術のソースとして臍帯血に注目が集まっている。当研究室より神戸の先端医療センター再生医療研究部に田中医師を派遣し、ペプチドによるヒト臍帯血造血幹細胞のin vitro増幅を試みている。