

1934年、感染症研究の西日本の拠点として大阪大学微生物病研究所が設立、翌年には附属診療機関が発足した。臨床部門内科には山口 寿先生が着任され、ラジウムによる癌治療を中心とする診療、感染症の診療・予防に関する臨床研究、担癌患者の病態や癌化学療法に関る研究などが精力的に行われた。
担癌患者における貧血やトランスフェリン、骨髄細胞の鉄利用、癌化学療法の問題点などについての研究が行われた。また、網内系機能をコンドロイチン硫酸鉄を用いて調べる検査法が開発された。
白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫,溶血性貧血、血小板減少症などの血液疾患について幅広く研究・治療が行われ、特に発作性夜間血色素尿症については、木下タロウ先生(現微生物病研究所免疫不全教室教授)との共同研究にてPIG-A遺伝子の後天性の突然変異による疾病であることが解明された。また、慢性疲労症候群の厚生省研究班が木谷教授を班長として発足、病因・病態・治療に関する研究が進められた。
平成5年9月、大阪大学医学部の吹田への移転に伴い、微生物病研究所付属病院は9月1日より医学部・医学部付属病院と統合され、当教室は医学部バイオメディカル教育センター癌診療部、血液・腫瘍内科学研究部となった。
従来の研究の継続、発展に加え、造血細胞の増殖・分化・腫瘍化機構を分子レベルで明らかにすることを目的とした研究が開始され、また診療においても造血幹細胞移植や骨髄移植などの先端医療が行われるようになった。平成13年に行われた大阪大学大学院医学系研究科の改組に伴い、当科は大阪大学大学院医学系研究科分子病態内科学講座(旧血液・腫瘍内科学研究部)として、研究、臨床を担うこととなった。